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ヨムカク

KADOKAWAとはてなの小説投稿サイト「カクヨム」専門の読み専レビューブログです。

初期~中期のメフィスト系作家のような、なかなかシブいミステリー中編「specimen report」を味わう

大半のカクヨム作家はコンテスト目指して頑張っていると思うのですが、オープンと同時に完結状態で投稿された本作は66,269文字。

そう、コンテストの応募規定文字数に達していないため、コンテストの大賞作品ではありません。好みは分かれるかもしれないけれど、ミステリージャンルではなかなかいいもの書いてると思うんですよね。

kakuyomu.jp

本作は2005年に起こったとされる未解決事件「標本事件」をレポート形式で綴ってゆき、不思議な展開で読者を困惑させる味わいのあるミステリー中編です。

秘書室を通らなければ社長室には辿りつけない。しかし社長室で帯本福志社長は殺されていた――。そして、社長室に入っていった者は誰もいなかった「はず」。

そんな不可能犯罪からはじまる連続殺人のレポートは、未解決事件にも関わらずなんと序盤で◯◯◯が明らかになってしまいます。そして続いていく連続事件。

いったい、どうやって犯人は不可能犯罪を起こしているのか――。

どうして、事件は解決できないのか。

犯人は、何をしているのか――。

そもそも「標本事件」とはいったい何なのか――。

長編作品でもおかしくない構成ですが、中編作品なので、気がついたら読み終えてしまいます。というか、読み終わらされてしまいます。続きは?? と思うようなラスト。

真相や展開について納得出来ない方もいるかもしれませんが、ちょっとクセのあるメフィスト系ミステリー作品が好きな方は好きなんじゃないかな。しぶいです。好きです。

単行本化まではせずに雑誌に中編で掲載されそうな感じ。

雨の夜にしっとり読みたいそんな作品、79点。

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